シロウミギク [r001643-83362:46]
ウミギクガイ科 SPONDYLIDAE
Spondylus castus
Quality Grade Description
Length 59mm F++ Maxで71mm
Remarks :
Length 59mm F++ Maxで71mm
Remarks : 熱帯の岩礁に咲く一輪の花――その第一印象が、この貝の魅力を端的に物語っています。殻色には顕著な変異があり、純白から淡い色調を帯びたものまで幅広く知られます。放射状に広がる殻肋と突起は、まるで花弁を重ねたかのような構造を示し、海底で確かな存在感を放ちます。
本種は奄美諸島以南、熱帯インド・西太平洋域に分布し、水深20m前後までの岩礁底に生息します。岩盤に固着し、潮流のなかで暮らす姿は、動かぬ生物でありながら環境と密接に結びついた営みを感じさせます。パラワン島で漁師により採集された本標本は、その広域分布を裏づける一例です。
かつてはシロトゲウミギクの近縁種と考えられていた経緯もあり、分類史のなかで再検討を経て位置づけが整理されてきました。ウミギク類に共通する特徴として、外套膜の縁に光受容体、いわゆる眼点を備えています。殻をわずかに開いたとき、その感覚器が光を捉え、外界の変化を感知します。動かないという印象とは裏腹に、周囲を見つめる装置を持つ存在なのです。
種小名 castus はラテン語で「純粋な」「貞節な」を意味します。白を基調とした殻色が、この名の由来と考えられます。海底にあってなお清廉さを失わないその姿は、自然が描いた静謐な造形美の象徴ともいえるでしょう。ひとつの殻の中に、分類学の歴史と熱帯の海の記憶が刻まれています。
📍 フィリピン パラワン島 地元の漁師
🌍 Palawan, Philippines. By a local fisherman.
🌍 Palawan, Philippines. By a local fisherman.
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