ミツマタオオタワラ (仮称) [r008240-83400:48]
オオタワラガイ科 CERIONIDAE
Cerion tridentatum
Quality Grade Description
Height 29mm F++ 殻口老成した、綺麗な標本です。
Remarks :
Height 29mm F++ 殻口老成した、綺麗な標本です。
Remarks : カリブ海の光が降り注ぐキューバ西部、ハバナ近郊の海岸線。その木立の幹や石灰岩の露頭に、本種は確かな存在感を刻んでいます。2016年に採集された標本は、浜辺の樹幹に付着していた個体であり、沿岸環境に適応したこの一群の生態をよく物語っています。
殻表は均質な白色。縦肋は控えめで、表面に光沢はありません。乾いた石灰岩を思わせる質感が、周囲の基盤と呼応します。殻口内部には明瞭な1歯が立ち、軸唇内にはやや弱い歯が添えられます。
とりわけ注目すべきは、その種小名 tridentatum に込められた意味です。語源はラテン語の “tridens”。「三叉槍」を意味し、三つの歯を想起させる言葉です。実際、本種の殻口に見られる歯状構造は、この名の由来を雄弁に示しています。小さな突起でありながら、そこには進化の履歴が凝縮されています。
キューバの Cerion 類は、地域ごとに形態を分化させることで知られます。わずかな環境差が殻の造形に反映され、島という舞台の上で多様な系統が生み出されました。本種もまた、ハバナ沿岸という限られた領域に根ざした固有の系統です。海風と石灰岩台地が形づくった環境が、その姿を選び取ってきました。
白い殻に刻まれた歯の配列は、単なる装飾ではありません。乾いた海岸林の時間と空間を閉じ込めた、進化の記録です。掌中の一殻から、カリブの沿岸風景が立ち上がります。
📍 キューバ北西ハバナ南西プラヤ・バラコア近郊 2016年
🌍 Near Playa Baracoa, La HAbana, Cuba. Taken on trunk trees along the beach. 2016.
🌍 Near Playa Baracoa, La HAbana, Cuba. Taken on trunk trees along the beach. 2016.
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