ダテマキコゴメモドキ (仮称) [r010815-83337:8]

ヘリトリガイ科 MARGINELLIDAE
Marginella diadochus
Quality Grade Description
conditionHeight 20mm F+ 死殻ですがレア


Rosetta Remarks :

種小名 diadochus は、ギリシャ語で「後を継ぐもの」「代役」を意味します。近縁の Marginella musica によく似た姿から、その存在は長く“後継者”のように受け止められてきました。分類史の出発点から、比較のまなざしと共に歩んできた種です。

殻は象牙色から淡いベージュを基調とし、通常は4本前後の細い橙色から褐色の横帯が走ります。研磨された磁器を思わせる表面に、帯模様がリズムを刻みます。同属の中では控えめな配色ですが、深海の光環境に適応した安定した形態です。

本種が学術的に記載されたのは1850年です。その根拠となった標本は、19世紀半ばに英国軍艦サマラン号が行った世界探検航海で採集されました。しかし当初、産地は誤って「スンダ海峡」と記録されていました。後年の再検討により、南アフリカ沿岸に固有の種であることが明らかになります。標本ラベルの混同が、分類史に影を落とした代表例です。

この誤認のため、本種は長らく西アフリカ産のダテマキコゴメと混同され、亜種と見なされた時代もありました。殻形や帯模様、分布の検証が積み重ねられ、現在では独立種として整理されています。分類は固定された結論ではなく、検証の連続であることを示す好例です。

生息域は南アフリカ東岸、東ケープ州からクワズール・ナタール州にかけて広がるアガラスバンクです。水深50〜110メートル以深の砂底や礫底に分布します。この標本は、ポートエリザベス沖合110メートルから採集されたもので、大学研究機関の調査による確かな来歴を持ちます。

深場の海底で形を保ち続けるこの殻は、過去の誤解と再発見を静かに内包しています。一つの貝殻が、探検航海の記録と分類学の修正史を今に伝えています。

📍 南アフリカ 東ケープ州ポートエリザベス ドレッジ 110m深1994年2月
🌍 Port Elizabeth, Eastern Cape province, South Africa. Dredged 110m deep. February 1994.
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Marginella  diadochusMarginella  diadochus
ダテマキコゴメモドキ (仮称) [r010815-83337:8]

販売価格 price: 1,000Yen

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