ナンアユキカラマツ (仮称) [r000268-83294:22]

ユキカラマツガイ科 TRIMUSCULIDAE
Trimusculus costatus
Quality Grade Description
conditionHeight 9,10,11mm F+ 比較的良く保存された打ち上げ個体です


Rosetta Remarks :

南アフリカ、西ケープ州のFalse Bay。冷たいベンゲラ海流と大西洋のうねりが交わるその海岸で、本標本はケープタウン大学により採集されました。荒波に洗われる岩礁帯という環境が、この貝の姿を雄弁に物語っています。

本種は南アフリカ沿岸に分布し、外見はキクコザラにやや似ています。しかし殻形は一様ではなく、円形からゆがんだ不定形まで変化に富みます。殻頂の位置も一定せず、中央付近に置かれる個体もあれば、後方へと移動したものも見られます。この変異幅こそが、波当たりの強い環境に適応してきた証左です。

殻表には多数の放射肋が発達します。種小名 costatus はラテン語で「肋のある」を意味し、その名のとおり肋(costae)が殻全面に刻まれています。光の角度によって浮かび上がるその稜線は、岩礁に刻まれた年輪のようです。これらの肋は単なる装飾ではなく、殻の強度を高め、波圧を分散させる役割を担っています。

殻内面には三つの明瞭な筋肉痕が認められます。これは軟体部の筋肉が付着していた痕跡で、貝が岩盤に強固に固着するための構造です。外洋に開いた海岸で生きるための機能美が、内側にまで刻まれています。

一見すると素朴な円錐殻に過ぎません。しかしその形態の揺らぎと肋の発達は、南アフリカの海岸が刻んだ環境史そのものです。小さな殻の内に、外洋の力学が封じ込められています。

📍 南アフリカ西ケープ州南西フォールス湾 打ち上げ
🌍 False Bay, Western Cape, South Africa.
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Trimusculus costatusTrimusculus costatus
ナンアユキカラマツ (仮称) [r000268-83294:22]

販売価格 price: 350Yen

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