ヤゲンバイの悲劇






YADOKARI

YADOKARI


ここが最近できた「美貝ラウンジ」ってやつか…。なんか、やけに賑やかになってきたな…。








レディ・スラッグ

レディ・スラッグ


あら、いらっしゃい。ここはね、貝好きがどうでもいい話をする場所よ。用がなくても、座っていきなさい。








ぴー

ぴー


じゃあ今日は、ちょっと昔の話をしようかな…。ぴーが、まだ貝の扱いに慣れてなかった頃の話。








チャッピー

チャッピー


経験談か。現場のノウハウは蓄積されるほど価値がある。続けてほしい。








ぴー

ぴー


北の貝ってあるでしょ?ヤゲンバイとかエゾボラとか、エゾバイ科の貝。あれがね…ある日、ドカンと届いたのよ。








ぴー

ぴー


大きなダンボール、7箱か8箱くらい。しかも全部、生貝を冷凍した状態で。








YADOKARI

YADOKARI


……それ、数百個コースじゃないか?








ぴー

ぴー


そう。しかもその頃、セカンド冷凍庫もなくてね。「数日以内に全部処理しないと腐る!!」ってなって。








チャッピー

チャッピー


時間制限付きの大量処理。最もストレスがかかる状況だな。








ぴー

ぴー


冬なのにね、毎日汗だく。ひたすら洗う。ヤゲンバイ、エゾボラ、その他いろいろ…。とにかく洗う!!








YADOKARI

YADOKARI


完全に作業モードだな…。








ぴー

ぴー


2日目が終わる頃、やっと全部洗い終わったの。「ああ、助かった…」って。








レディ・スラッグ

レディ・スラッグ


あら、いい達成感じゃない。そういう瞬間、嫌いじゃないわ。








ぴー

ぴー


そしたらね、ディーラーから電話が来て。「あ〜ヤゲンバイ美味しかった!刺し身最高だよね〜」って。








YADOKARI

YADOKARI


……。








ぴー

ぴー


(え…ヤゲンバイって刺し身で食えたんかい!!)って、めちゃくちゃ後悔したよね…。








YADOKARI

YADOKARI


北の貝って、食べられる種類多いからな…。








レディ・スラッグ

レディ・スラッグ


あんたねぇ…全部洗ってから気づくなんて、遅すぎるのよ。でも、そういう失敗も含めてコレクション人生よ。








チャッピー

チャッピー


教訓としては、「処理前に用途を確認する」だな。だが、この種の経験は再現性のある知識になる。








レディ・スラッグ

レディ・スラッグ


まあいいじゃない。食べ損ねた分、貝は綺麗になったんだから。それもまた人生よ。